AWS Cost Explorer と Sabaki の違い
Sabaki は AWS Cost Explorer の代わりではありません。Sabaki のコスト画面は Cost Explorer のデータを使っています。違いは見せ方と使いどころです。Cost Explorer は 1 つのアカウント(または 1 つの組織)のコストを、タグや使用タイプまで自由に掘り下げる分析ツールです。Sabaki は、互いに無関係な複数の顧客のアカウントを 1 つの画面に並べ、放置されたリソースを検出し、月額の概算とともに日本語で説明するためのものです。コストの推移は、AWS の権限を持たない顧客にも共有できます。
最終更新: 2026-09-22
AWS Cost Explorer でできること
Cost Explorer は AWS のコンソールに含まれるコスト分析機能で、コンソールから使うぶんには無料です。コンソールは日本語表示に対応しています。
過去のコストと使用量を、サービス、連結アカウント、リージョン、使用タイプ、コスト配分タグなどで絞り込み、グループ化して見られます。標準では過去 13 か月分のデータを扱え、将来のコストの予測も出せます。Reserved Instance や Savings Plans の購入推奨、利用率とカバレッジのレポートもここにあります。時間単位の粒度は、有効化すると追加料金がかかります。
「先月どのタグのコストが増えたか」「この使用タイプは何か」といった掘り下げは、Cost Explorer が最も得意とするところで、Sabaki にその機能はありません。
Cost Explorer だけでは足りなくなる場面
Cost Explorer はサインインしているアカウントのものです。AWS Organizations で束ねていない複数の顧客のアカウントを預かっている場合、顧客の数だけサインインし直して同じ操作を繰り返すことになります。
また、Cost Explorer が示すのは「何にいくら使ったか」です。どのインスタンスにも付いていない EBS ボリュームや、割り当てられていない Elastic IP を 1 つずつ挙げるのは Cost Explorer の役割ではなく、AWS では Cost Optimization Hub、Compute Optimizer、Trusted Advisor が担います。これらもアカウントまたは組織の単位で、有効化が必要です。Trusted Advisor のコスト最適化のチェックには、Business Support+ 以上のサポートプランが要ります。
もう 1 つは共有です。顧客にコストを説明するとき、顧客自身に Cost Explorer を見てもらうには、請求情報への IAM アクセスを含む権限の用意と、画面の読み方の説明が要ります。
機能の比較
2026 年 9 月時点の内容です。AWS の機能と料金は更新されるので、最新の仕様は AWS のドキュメントで確認してください。
| 項目 | AWS Cost Explorer | Sabaki |
|---|---|---|
| 位置づけ | コストを自由に掘り下げる分析ツール | 複数の顧客のコストを並べ、ムダを見つけて説明する画面 |
| データの出どころ | AWS の請求データ | Cost Explorer のデータ(読み取り専用ロール経由) |
| 複数の顧客のアカウント | アカウントごとにサインイン(組織内は一括で見られる) | 組織に入っていないアカウントも 1 つの画面で顧客別に切り替え |
| 掘り下げ | サービス、アカウント、リージョン、使用タイプ、タグなど | 月次・日次の推移、今月ここまで、サービス別の内訳まで |
| コストの予測 | あり | なし |
| 放置されたリソースの検出 | 対象外(Cost Optimization Hub などが担当) | アイドルの EC2・RDS、未アタッチの EBS、未使用の Elastic IP を、直近 30 日にコストが発生したリージョンで検出し、月額の概算を算出 |
| 日本語での説明 | 画面は日本語表示に対応 | 検出ごとに「なぜムダか」「どう対処するか」を読み手の言語で説明 |
| RI / Savings Plans / Right-sizing の推奨 | あり | Pro で AWS の推奨を取り込んで提案として表示 |
| 顧客との共有 | 顧客に IAM 権限を用意して見てもらう | Business 以上のクライアント共有ビューで、コストの推移と通知を共有(顧客に AWS の権限は不要)。検出内容をまとめたお客様向け提案書は Pro |
| 更新の頻度 | 少なくとも 24 時間に 1 回 | 毎晩自動で更新。手動での再分析も可能(1 日 3 回まで) |
| 料金 | コンソールは無料。API は 1 リクエスト $0.01 | Free ¥0(1 アカウント)で、コストの推移・4 種類の検出・AI の削減提案を利用可。アカウント無制限は Team(月額 ¥2,980・税抜)から。AWS の推奨の取り込みは Pro |
Sabaki を使うときに知っておくこと
Sabaki は、接続した AWS アカウントの Cost Explorer API を読み取り専用ロールで呼び出します。Cost Explorer API の料金(1 リクエスト $0.01)は、呼び出された側、つまり接続先の AWS アカウントに課金されます。呼び出しの中心は毎晩 1 回の自動更新で、結果を保存して使い回すことで回数を抑えていますが、ゼロにはなりません。いつ呼び出すかはヘルプの「AWS 側で料金は発生しますか」にまとめています。
検出したリソースの月額は、AWS の料金表のオンデマンド料金から算出した概算です。EC2 は Linux・共有テナンシーを前提にしており、Reserved Instance や Savings Plans の割引、RDS のストレージや I/O の料金は反映しません。実際の請求額とは一致しないことがあります。
Sabaki は提案までです。リソースの削除も購入も行いません。書き込み権限を持たないので、技術的にもできません。
使い分け
自社の 1 つの組織のコストを深く分析するなら、Cost Explorer で足ります。Sabaki が役に立つのは、顧客ごとに別々のアカウントを預かっていて、毎月「どの顧客のどこが増えたか」「どこを削れるか」を日本語で説明する必要があるときです。掘り下げが必要になったら、Sabaki で当たりを付けてから、そのアカウントの Cost Explorer を開くのが効率的です。
始め方
読み取り専用の IAM ロールを 1 つ作って接続します。ワンクリックの CloudFormation テンプレート、IAM のコンソール、CLI の 3 通りから選べ、テンプレートの中身は公開しています。検出の条件や Free と Pro の違いはAWS コストの見える化と削減提案に、放置されたリソースを AWS の標準機能だけで探す方法はAWS の未使用リソースの探し方にまとめています。
読み取り専用ロールを 1 つ接続すれば、数分で最初の結果が出ます
Free プランは 1 アカウント・1 席でクレジットカード不要。必要なのは読み取り専用の IAM ロールだけで、アクセスキーの登録も書き込み権限も要りません。
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